ショスタコーヴィチ：交響曲第５番

関西フィル・ライヴシリーズ III

このショスタコーヴィチの「第五交響曲」だが、当日筆者がすみだトリフォニーホールの上階バルコン席で聴いた印象では、飯守は関西フィルからかなり鋭く荒々しく、闘争的で攻撃的な響きを引き出し、劇的に盛り上げていた。特に後半の2つの楽章のそれぞれクライマックスにおける体当たり的な昂揚と緊張は、なまなましく壮絶である。その一方、弦楽器群のしっとりした響きも印象的だ。組み合せされている大澤壽人の「小交響曲」が、日本風の叙情を随所に垣間見せる小編成の美しい曲であるだけに、ここでは飯守と関西フィルのさまざまな特徴がすべて味わえるいってもいいかもしれない。（東条碩夫 ライナーノートより）

• ショスタコーヴィチ：交響曲第5番 ニ短調 作品47 (1937)
  • [1] I. Moderato－Allegro non troppo
  • [2] II. Allegretto
  • [3] III. Largo
  • [4] IV. Allegro non troppo
• 大澤壽人：小交響曲 ニ長調 (1932)
  • [5] I. Allegro moderato
  • [6] II. Adagio
  • [7] III. Allegro molto

飯守泰次郎（指揮）関西フィルハーモニー管弦楽団

録音：すみだトリフォニーホール 2007年2月21日（ライヴ録音）、ザ・シンフォニーホール 2006年11月30日（ライヴ録音）