モートン・フェルドマン：ジョン・ケージのために［ダウンロード・シームレス版］

親密であると同時に不滅。
1993年リリースの名盤が再び光を放ちます。

ALM RECORDSが1993年にリリースした2枚組CDの音源が、ダウンロード形態となって登場。定評のある音質はそのままに、CDでは不可能だった、約100分にわたって途切れのないシームレス版となりました。

ジョン・ケージ70歳のお祝いに、フェルドマンが1982年に書いた大作。約100分にわたって、魔術のような時間がゆっくりと拡がってゆく。全篇にわたるかそけき弱奏。演奏は過酷だが、結果は美しい。この作品の世界初演を行った高橋アキと、当時若くして新日本フィルハーモニーのコンサートマスターを務めていた豊嶋泰嗣による演奏。

フェルドマン晩年の、類まれな一連の傑作のなかの一つの録音である（中略）こうした晩年の作品はひじょうに説得力に富むものであるため、その稀にみる音の世界をあらわすにはわずかな言葉で十分であろう。すなわちこれらの作品は、親密であると同時に不滅なのである。ベートーヴェンの晩年の作品においては、終結部近くで、普通はトリルに保持されてすべての和声的な動きが停止し、その一方でこれまでの楽想が回想される。これこそ、フェルドマンの晩年の作品すべてが始まる場所なのである。（ラファエル・モステル／訳：柿沼敏江　CD版ライナーノートより）

• [1] モートン・フェルドマン（1926-1987）：ジョン・ケージのために（1982）
  
  

豊嶋泰嗣（ヴァイオリン）　高橋アキ（ピアノ）

録音：桃源文化会館　1991年3月5日

初出：CD 1993年（ALCD-41）